【巨人】一塁だれが守る問題
阿部慎之助の引退は、2019年のジャイアンツにとって一番のビッグニュースだった。スーパースターがいなくなるという寂寞感以上に、OPS9割の打者がいなくなるという戦力的な損失が大きい。
穴埋めとして、球団は新外国人のジェラルド・パーラを獲得した。左打ちの外野手で、昨年メジャーで119試合に出場した大物だ。ただ彼はポジション的にゲレーロの代役であって、一塁手兼代打の切り札だった阿部の役割を求めるのは筋違いである。
そもそも、来年の一塁手は誰になるのだろう?
この問題は意外にも深刻である。何故なら93年組が争う二塁と違い、候補すらいないからだ。
19年シーズン、主に一塁を守ったのは岡本和真と大城卓三である。しかし首脳陣は岡本を三塁手、大城を捕手として育成する方針を打ち出している。来シーズン全く守らないということはないだろうが、一塁手としての出場機会は大きく減るだろう。
他の候補としてはベテランの中島裕之、若手の北村拓巳・山下航汰らが挙げられるが、いずれも一軍戦力として計算するのは難しい。新外国人を取る噂もあるが、戦力バランス的には投手3:野手1でいきたいところなので、年間を通じた出場は見込めない。
ではどうするのか。
一番手堅いのは亀井善行の一塁コンバートである。去年10年振りに規定打席到達を果たした亀井だが、前回(2009年)は主に一塁手として出場していた。原監督はパーラを右翼で使うそうなので、押し出された亀井が一塁に入るのは自然な流れだ。
しかし亀井は外野守備の名手。消去法的に一塁で使うのは勿体なさが残る。
となると、最後の手段はトレードである。
オススメは阪神・陽川尚将である。一塁・三塁が本職の選手だが、来年の阪神は大山悠輔を二塁に回す案が出ているほどで、陽川にとってはかなり厳しい環境と言える。しかし巨人であれば、たとえば左投手相手の時だけ一塁スタメンで出るなど、亀井との共存も図れる。陽川にとっても悪い話ではないはずだ。
交換相手は吉川大機でどうだろう。12球団ワーストの失策数を記録した阪神にとって、特にショートは急所中の急所。代走からそのまま守備固めに入れる吉川がベンチにいれば、攻撃も守備も幅が広がるに違いない。
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一塁手は外国人選手が務めるものという風潮は根強いが、だからこそ、そこを日本人で賄えるチームは強い。事実、パ・リーグはオリックスを除く5球団で日本人レギュラーがいるが、セ・リーグではヤクルト村上ぐらいしかいない。
DH導入以前に、まずそういった問題に目を向けてみてはどうだろうか。
●対右投手 ●対左投手
(左)△重信慎之介 (二)□若林晃弘
(遊) 坂本勇人 (遊) 坂本勇人
(中)△丸 佳浩 (中)△丸 佳浩
(三) 岡本和真 (三) 岡本和真
(右)△パーラ (右)△パーラ
(一)△亀井善行 (左) 石川慎吾
(捕)△大城卓三 (一) 陽川尚将
(二)△田中俊太 (捕) 炭谷銀仁朗
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